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株主・投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。当社は、2014年12月19日、東京証券取引所市場マザーズに上場いたしました。
サイジニアは、2007年にECサイトの売上を拡大するサービスとして、いわゆるレコメンデーションサービスから事業を開始しました。その後、事業領域をネット広告分野へ拡大し、レコメンデーション型のリターゲティング広告やDSP事業へ取り組んで参りました。我が国のEC市場規模は9.5兆円と想定され、EC化率が3.1%と低いことから、米国並みのEC化が進めば2018年には20兆円規模になると見込まれています。今後もEC市場の成長と共に、当社の事業も拡大をして参ります。
加えて、これからの3か年は、ネットだけではなくリアルの世界における「出くわす」体験を実現して参ります。スマートフォンやInternet of Things(IoT)の普及により、今やデータのタッチポイントが急速に多様化し、異種データが大量に生成されるようになります。当社の技術は、解析対象となるデータをノードとリンクから成るグラフ構造により関連性をリアルタイムに分析することができるため、リアル世界での消費行動データにも対応することが可能です。
小売アパレルの実店舗での市場規模は9.1兆円、スーパーは12.5兆円、百貨店は8.6兆円など、EC以外のリアル店舗売上は135兆円規模に上るとみられています。また、店舗で調べてネットで購入する、あるいはネットで調べてリアルで購入する、いわゆるO2O市場は30兆円規模、2017年には50兆円規模にまで成長すると考えられています。この市場におけるビッグデータを解析する「デクワス」が現在の注力領域です。
この世界に存在するデータを大きく分類すると、ネットが3割、リアルが7割を占めると考えられています。さらにネット上のデータを調べると、99%以上が非テキストデータでテキストデータは0.01%も存在しません。これを地球に例えると、テキストデータは淡水で、リアルデータは海水の量に相当します。
ネット上のテキストデータは検索エンジンという巨大なビジネスを生みました。一方、我々サイジニアは、海水に相当するリアル世界のビッグデータの中から、消費活動の未来を分析し、レコメンデーションによりお気に入りの商品に「出くわす」体験を実現します。
物理学や化学、生物学をはじめとする自然科学は、観察することに始まり、実際に験(ため)す行為を通じて検証、展開されます。一方で、数学や情報科学は、一般的に自然科学とは区別されて解釈されます。今日、情報科学が自然科学に含まれないのは、数学と同様、観察や実験を伴わず、人工的な体系の上に理論構築がされてきたためです。
しかし、情報化された社会、あるいは情報空間で生じている現象へ目を向けるとどうでしょうか。そこに参加する個人や企業は、それぞれの内部状態を持ち自律的に意思決定をしているにも関わらず、総体としては物理学や化学など自然科学の世界で古くから知られている自己組織化パターンと類似する様相が観測されるのです。すなわち、Webやインターネットは、今やただの人工物ではなく、21世紀に登場した新しいnatureであると捉えるべきものと考えられます。
サイジニアは、このような姿勢でWebから収集されるビッグデータ解析に臨んでいます。特に複雑系と呼ばれる学問分野の知見を活かして、対象を観察、モデルを検証しながら情報解析精度を向上させていきます。解析結果はすぐに実サービスによって評価され、結果がリアルタイムにフィードバックされることで、継続的に性能が改善する仕組みです。
また高度な運用技術で、月間数百億のクリックデータを解析するエンジニアリング能力も強みとしています。クラウド上に構築されたサイジニアの情報解析基盤Behavior Warehouse(TM)は、グラフ構造の大規模データを高速に処理する独自開発技術です。
我々は、サイエンスとエンジニアリングの両軸で挑戦を続けてまいります。
代表取締役会長 吉井 伸一郎